Granulocyte Colony-Stimulating Factor(G-CSF)産生肺大細胞癌の1例
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概要
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症例は65歳男性.咳嚥,発熱,左胸痛を主訴とし,胸部X線写真上左肺門に腫瘤影と左肺上葉の閉塞性肺炎像を認めた.入院後,気管支鏡検査を施行.生検にて大細胞癌の病理診断を得た.胸部CTにて縦隔リンパ節腫大を認めた.さらに,皮下に転移を認めc-T2N2M1,stageIV期の肺大細胞癌と診断した.化学療法ならびに放射線療法を施行したが,効果はみられず,呼吸不全で死亡した.入院時存在していた肺炎の治療後も,腫瘍の増大に伴い白血球数は死亡直前には83600/mm^3まで増加し,血清中のG-CSF濃度も5257pg/mlと高値を示した.また,抗G-CSFモノクローナル抗体を用いた免疫組織学的検討で,剖検にて得られた腫瘍細胞の細胞質内にG-CSFが染色された.これらの臨床経過および免疫染色の結果よりG-CSF産生肺癌と診断し,若干の文献的考察を加え報告した.
- 日本肺癌学会の論文
- 1995-04-20
著者
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土井 正男
県立広島病院呼吸器内科
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倉田 宝保
西広島リハビリテーション病院
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松浦 博夫
社会保険広島市民病院病理
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宮沢 輝臣
社会保険広島市民病院呼吸器内科
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山木戸 道郎
広島大学内科学第2講座
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土井 正男
社会保険広島市民病院呼吸器科
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松浦 博夫
広島市立広島市民病院 呼吸器科
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倉田 宝保
社会保険広島市民病院呼吸器科
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峯下 昌道
社会保険広島市民病院呼吸器科
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