両性生殖性ニラ(Allium ramosum L.)二倍体とA. scabriscapum Bois. et Ky.との種間雑種
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概要
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ニラ(Allium ramosum/A. tuberosum)は四倍性かつ高いアポミクシス性を有するため, 交雑育種は進んでいない.本研究ではモンゴルで収集した二倍性で両性生殖性を有するニラ系統を供試し, ニラと同様にRhizirideum亜属に属する野生種A. scabriscapumと種間交雑を行うことにより, ニラ遺伝資源としての同野生種の利用の可能性について検討した.ニラ, A. scabriscapumおよびF_1(A. ramosum×A. scabriscapum)について, 花粉稔性および種子稔性を検定するとともに, nuclear ribosomal DNAのinternal transcribed spacer (ITS)領域のPCR解析により両種間の多型を検出し, 正逆交雑により得られたF_1の雑種確認に応用した.ニラおよびA. scabriscapumは94%以上の高い花粉稔性を示したが, F_1は不稔であった.両種間で正逆交雑を行ったところ, いずれも25∿58%の種子形成胚珠率であったが, A. scabriscapumを種子親とした交雑により得られた種子の発芽率は26%以下と低かった.F_1の種子形成胚珠率は10%以下で極めて低かったが, 得られた種子は55%以上の比較的高い発芽率を有し, BC_1(F_1×A. ramosum)を得ることが出来た.両種特異的なITSマーカーを用いて正逆交雑により得られたF_1を検定した結果, 両種由来のマーカーを併せ持つことから, これらが種間雑種であることが実証された.本研究により, 野生種A. scabriscapumがニラの第二次遺伝子プールとして利用できることが示唆された.
- 園芸学会の論文
- 2005-03-15
著者
-
山下 謙一郎
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所葉根菜研究部
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塚崎 光
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所葉根菜研究部
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小島 昭夫
農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所葉根菜研究部
-
塚崎 光
農研機構 野菜茶業研究所
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