高齢者の慢性腰痛に対する阿是穴鍼療法(<ワークショップ>鍼灸とリハビリテーション)(第41回日本リハビリテーション学術集会)

概要

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現代医学は,器質的障害を重視する要素分析的医学であるのに対して,東洋医学は機能的な失調を重視する経験主義的医学である.このように疾患に対する考え方の原点が異なるために西洋医学を学んだ者には東洋医学は理解されにくい.しかしながら,明治以降の政策にもかかわらず鍼灸を主とした伝統的医療が民間で根強く続けられてきたことから考えても,現代医療に組み込むことはさまざまな利点がある.東洋医学の一つである鍼療法には,鎮痛作用,循環改善作用,筋緊張緩和作用があり,これらの作用をリハビリテーション(以下,リハ)の多くの分野で利用できる.さて東洋医学には「阿是穴」という概念があり,圧痛点を反応点,治療点と考えている.西洋医学にもよく似たトリガーポイントという概念がある.このように圧痛点は西洋医学,東洋医学にかかわらず,治療ポイントとして重要視されている.Baldryは筋,骨格系の疼痛に対してトリガーポイントに鍼刺激を行い,難治性疼痛のコントロールに成功している.我々の教室でも筋骨格系疾患の圧痛点を重要視しており,圧痛点鍼療法を単独または他の療法と併用して利用してきた.この論文では,その一部である高齢者の慢性腰下肢痛に対する阿是穴鍼療法の検討を紹介する.
2004-12-18

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