2001年10月10日佐原・鹿嶋に豪雨をもたらしたレインバンドの構造と維持機構
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概要
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2001年10月10日, 低気圧の接近に伴って関東地方南東部で豪雨が発生した.千葉県佐原では, 21時から22時までの1時間に72mmの降水を記録した.本研究では, 気象庁の現業データとドップラーレーダーデータを用いて, この豪雨をもたらしたレインバンドの内部構造と維持機構を調べた.関東地方には, 暖湿な南〜南東風と寒冷な東〜北東風が収束することでレインバンドが形成された.このレインバンドは, 最初バックビルディング型であったが, 南東風の強まりとともに側面でも収束が起こり, バックアンドサイドビルディング型となった.側面からの下層inflowは降水によって妨げられなかったため, レインバンドには高相当温位の空気が供給され, 対流セルが発生, 発達し続けた.最盛期には下層の収束の位置がほとんど移動しなかったため, 対流セルが同じ場所で発生し続けることができた.また, 下層収束の位置がレインバンドから大きく離れなかった.このため, レインバンドの停滞性, 持続性が強く, 豪雨となった.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2005-01-31
著者
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