メマンチンによる治療 : MK-801との相違
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概要
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メマンチンは中等度,重度のアルツハイマー病(AD)の治療薬としてEUとアメリカで承認されている.メマンチンはMK-801やフェンシクリジン(PCP)と同じ非競合的NMDA受容体阻害薬であり,虚血が引き起こすグルタミン酸過剰放出による神経細胞死を防ぐ.これらの薬物はマグネシウムイオンと同じイオンチャネル結合部位に作用する.しかし,MK-801やPCPは統合失調症様症状を引き起こし,ADの治療薬としては使用されていない.メマンチンには類似の毒性はない.また,大脳皮質でのアセチルコリン放出は起きない.メマンチンとMK-801との相違の機構はまだ解明されていないが,メマンチンはマグネシウムイオンと同様に電位依存的にイオンチャネルへ結合し,解離するためと考えられている.今後メマンチンに関する基礎的,臨床的研究が進み,機構が解明されるであろう.
- 2004-09-01
著者
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加藤 武
横浜市立大学、総合理学研究科、分子認識
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加藤 武
横浜市立大学 大学院総合理学研究科分子認識部門/自然情報科学部門
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加藤 武
横浜市大 大学院総合理学研究科
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加藤 武
横浜市立大学大学院総合理学研究科分子認識部門
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