コミュニケーションパートナートレーニングが脳性麻痺児のAAC手段の使用と相互交渉に与える効果
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概要
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本報告では,臨床場面や家庭でのAAC手段の使用が増加しているにもかかわらず,学校での使用が困難であった脳性麻痺児1例の担当教諭に対して,コミュニケーションパートナートレーニングを行い,その効果について検討した.このトレーニングは,AAC手段を使用する本児との円滑な相互交渉が行えることを目標とし,2回で合計3時間実施した.その効果については,(1)相互交渉場面のビデオ録画の分析,(2)担当教諭に対してのアンケート調査,(3)担当教諭に対するインタビューから検討した.その結果は以下のようになった.(1)学校場面での本児によるAAC手段の使用が増加した.(2)相互交渉の点で本児主導のコミュニケーション状況が形成され,その状況を定着させることができた.(3)AAC手段を使用する本児との関わりを積み重ねる中で,担当教諭の本児に対する理解が深まった.以上の知見に基づいて,パートナートレーニングの効果について考察した.
- 日本コミュニケーション障害学会の論文
- 2004-08-25