高圧および超臨界二酸化炭素による大腸菌の殺菌
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概要
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Escherichia coliを供試菌として,高圧ならびに超臨界状態の二酸化炭素を用いた殺菌法の可能性を検討した.処理条件の範囲は,圧力5–20MPa,温度298–323K,処理時間300–1,800sである.生残菌率(処理前の系の生菌数に対する処理後の系の生菌数の比)を評価指標として用いた.生残菌率は,同一圧力のもとでは高い温度条件の系ほど減少が顕著であった.同一温度のもとでは圧力の高い系ほど顕著に減少した.また,超臨界二酸化炭素の供給口と細菌懸濁液の立体的接触状態が殺菌効果に影響を与えることを示した.処理時間の経過にともなう生残菌率の初期減少過程を一次反応とみなし,殺菌の速度定数を求めた.速度定数の温度変化より本法による殺菌の見かけの活性化エネルギーを推算したところ,約50kJ· mol−1であった.この値は,気体あるいは液体の二酸化炭素による殺菌処理,あるいは加熱処理の約6分の1であり,本法がエネルギー的に有利な殺菌手法である事が認められた.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2003-07-20
著者
-
渡辺 泰祐
日本大学大学院生物資源科学研究科 生物資源利用科学専攻
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鈴木 功
日大生資科
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今井 正直
日本大学大学院生物資源科学研究科 生物資源利用科学専攻
-
鈴木 功
日本大学大学院生物資源科学研究科 生物資源利用科学専攻
-
鈴木 功
日本大学生物資源科学部食品科学工学科
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