潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法
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概要
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白血球除去療法には遠心分離除去法,膜型吸着除去法そしてビーズ型吸着除去法があり,方式によって除去される白血球成分に相違を認めるが各々ステロイド投与を中心にした従来の治療に抵抗性の活動期潰瘍性大腸炎に対し緩解導入を可能にする有効な治療法であることが示され,同時にステロイド減量効果を有することも明らかにされた.我々の検討では,発症後長期にわたりステロイド投与がなされた症例あるいは内視鏡所見で多発する深掘れ潰瘍を呈する症例に対しては白血球除去療法で緩解導入困難な場合が多いことが示唆されたが,適応基準や運用方法の工夫によって本療法の有効性を一層向上させることが可能と思われた.またステロイド未使用の活動期患者に対しては高率に緩解導入可能なことから,ステロイド投与に代わり活動期潰瘍性大腸炎患者のfirst line therapyとして施行可能な治療法であると考えられた.
- 日本大腸肛門病学会の論文
- 2003-10-01