消化管上皮の恒常性維持に関する基礎的研究
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概要
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消化管上皮の恒常性維持機構の破綻は結果的に消化管疾病を引き起こす。DNA傷害後の異常細胞の除去に対して大腸上皮間リンパ球 (IEL) が積極的に関与すること, かつある種の食物繊維にはIELが減少するような場合にもその減少を弱める作用があることを明らかにした。また, 生理的な状態でも食物繊維の摂取は大腸IELの分布に影響を与えることを明らかにした。このことは食物繊維の摂取が大腸粘膜上皮内に呼び込むリンパ球を何らかの方法で選択することを示している。大腸内における食物繊維の大腸内発酵を介して大腸IELやナチュラルキラー細胞を上皮近辺へ導く機構が存在すると考えられる。食餌成分による消化管上皮恒常性の維持に免疫系が重要な役割を担っていること, ある種の食物繊維は免疫系に作用することで消化管上皮の恒常性維持に寄与することを明らかにした。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
- 2004-02-10