マイクロエマルジョンによるポリエチレン微多孔膜にトラップされた流動パラフィンの洗浄
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤系のマイクロエマルションを用いて微多孔性ポリエチレンフィルム中に浸透した流動パラフィンの洗浄を行った.マイクロエマルション中の油/水比率がある程度高いときには洗浄率は約90〜95%であるが,水の割合が増すと長時間の洗浄でも低い洗浄率に留まった.また,用いる界面活性剤の鎖長が短い方が短時間で最高洗浄率に達した.しかし,C16EO7系では約95%,C10EO4系では約90%と長鎖の界面活性剤を用いた方が最高洗浄率の値は高くなった.長鎖と短鎖の界面活性剤を混合させた系における洗浄性能は単一界面活性剤系より低下した.流動パラフィン,ポリエチレン,洗浄液の各相間の界面張力のバランスの考察よりマイクロエマルション中の油/水比率が大きいほど洗浄率が高いのは流動パラフィン-マイクロエマルションおよびポリエチレン-マイクロエマルション界面における界面張力が低いためである考えられる.また,界面活性剤分子鎖長が短い方が洗浄時間が短いのはマイクロエマルション中の構造周期が小さいからであると考えられる.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2002-03-20
著者
-
君島 康太郎
東燃化学(株)研究開発センター
-
荒牧 賢治
横浜国立大学大学院環境情報研究院人工環境と情報部門
-
金子 雅哉
横浜国立大学大学院環境情報研究院
-
國枝 博信
横浜国立大学大学院環境情報研究院
-
荒牧 賢治
横浜国立大学院環境情報研究院
-
荒牧 賢治
横浜国立大学大学院
-
國枝 博信
横浜国立大学大学院工学研究科
関連論文
- 球状シリカナノ粒子の組織化による新しい規則性シリカ多孔体 : 形成機構の解明, 粒子径制御, 応用
- マイクロエマルジョンによるポリエチレン微多孔膜にトラップされた流動パラフィンの洗浄
- 界面活性剤を用いない新規のドライクリーニングシステム(グリーン Dry)
- 界面活性剤溶液の相挙動と自己組織体の構造 (特集/化粧品の乳化技術の進歩) -- (第1章 基礎編:最近の乳化と界面科学研究の進歩)
- エマルションとHLB
- 界面活性剤のHLBと自己組織体形成
- ポリグリセリン脂肪酸エステルの水-油系での相挙動とキュービック相で安定化された乳化ゲル生成
- 特別講演 エマルション--既存の界面活性剤の高機能化,新機能化をはかるためには
- 市販品ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル, 及びアルキルエーテルの相挙動
- 二本鎖型カチオン界面活性剤の親水性表面への吸着形態
- 多分散ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤の相挙動とHLB温度
- ショ糖脂肪酸エステル系における逆ベシクルの形成とその安定性
- イオン性,非イオン性混合両親媒性物質による逆ベシクル形成
- 水溶性色素とカチオン性界面活性剤の相互作用およびアルコール添加効果
- シリコーン界面活性剤の形成する自己組織体と相挙動
- 非イオン界面活性剤系における自己組織体形成
- 高内相比エマルション(ゲルエマルション)の生成条件と物性
- 生体適合性界面活性剤系におけるW/O型マイクロエマルションの形成
- 塩水/イオン性界面活性剤/Cosurfactant/油系の3重臨界点近傍におけるマイクロエマルションの相挙動(招待講演,基研研究会『膜の物理学』)
- HLB温度に及ぼす親油性両親媒性化合物の添加効果
- 非イオン界面活性剤系の相平衡の制御
- 界面活性剤水溶液の起泡性に及ぼす香料の影響
- 界面活性剤自己組織体溶液の相挙動, 構造, 機能に関する研究
- 平成13年度日本油化学会エディター賞受賞によせて
- 最近の高内相比乳化技術の動向 (特集 化粧品の乳化技術の進歩と課題)
- 界面活性剤分子膜の曲率制御とキュービック液晶乳化への応用
- ショ糖脂肪酸モノエステル-水系の相挙動
- 非イオン両親媒性共重合体と非イオン界面活性剤混合系の水中における相挙動と自己組織体構造
- 界面活性剤とエマルション・マイクロエマルション
- 界面活性剤分子集合体の構造制御と溶液物性コントロール
- 界面活性剤の分子集合体とメソ多孔体の構造の関係
- 新規両親媒性分子集合体:逆ベシクル
- 水/非イオン界面活性剤/長鎖アルコール系における相平衡とミクロエマルション及びベシクル形成
- 水溶性キチンの水溶液物性
- 界面活性剤とエマルション・マイクロエマルション(講座:良くわかる界面化学2)
- ゲルエマルションの透明性制御