カルシウム経口投与ラットにおける血獎カルシウムの動態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
体重130g前後の Wistar 系雄ラットに, 正常食, ミネラル欠食およびカルシウム欠食を与えて1週間飼育した。飼育最終日に一夜 (16時間) 絶食してからカルシウムを投与して, カルシウムの吸収および分布の動態を検討した。1) 20mgカルシウムの投与では, 血漿カルシウム濃度はカルシウム投与後約2時間でミネラル欠食で最も高くなり, ついでカルシウム欠食で高く, 正常食では他の食餌よりは低いが, 投与後約1時間で最高値を示した。投与後8時間では全食餌とも投与直前のレベルより低かった。2) 40mgカルシウムの投与では, 血漿カルシウム濃度は全食餌とも投与後約2時間で最高点に達し, ミネラル欠食での同濃度が一番高く, ついでカルシウム欠食そして正常食の順であった。投与後8時間では, 同濃度は全食餌で投与前のレベルにほぼ戻った。3) 100mgカルシウムの投与では, 血漿カルシウム濃度はいずれの食餌でも初めの約30分間で急上昇し, その後正常食とカルシウム欠食ではほぼ一定のレベルが維持され, ミネラル欠食では同レベルはさらに直線的に上昇した。ミネラル食では, 動物は投与後24時間以内に全部死んだ。4) 腸管残留カルシウム量は, 全食餌とも小腸ではきわめて少なく, 大腸で非常に多かった。5) カルシウムの吸収の動力学的解析から, カルシウムの吸収率は食餌間で差はなかったが, 見かけの分布容積はカルシウム欠食およびミネラル欠食では正常食より小さかった。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
- 1998-04-10
著者
関連論文
- 2. ラットの血漿および肝臓における総コレステロール(T-CHOL)とトリアシルグリセロール(TG)の濃度に及ぼす食餌カゼインおよびコーン油の段階的レベルの影響
- 新生児期にストレプトゾトシンを投与して誘発した糖尿病ラットにおけるキクラゲ(Auricularia auricula-judae Quel.)の血糖値およびインスリン分泌に及ぼす改善効果
- ラットにおける血漿および肝臓中脂質に及ぼす高オレイン酸油の影響
- 高コレステロール食投与ラットのコレステロール代謝に及ぼす脂肪酸の影響(動物-脂質, 生体異物, 食物繊維-)
- 廃棄鮪内臓のたん白質の栄養価
- 9.食餌リジン・レベルのラットの成長, 血漿および肝臓遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響(JOURNAL OF NUTRITIONAL SCIENCE AND VITAMINOLOGY : 掲載論文要旨)
- カルシウム経口投与ラットにおける血獎カルシウムの動態
- 正常食,マグネシウム欠食およびミネラル欠食投与ラットにおけるマグネシウム経口投与による血漿のマグネシウムおよびカルシウムの応答