一側側頭葉に可逆性のMRI異常信号域を認めた側頭葉てんかんの1例
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概要
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頭部MRIにて可逆性のT1低、T2、FLAIR高信号域を呈した56歳のてんかん患者を報告する。本例はてんかん発作初発の半年後より、右眼瞼、口角、上下肢の瞬時の痙攣、脱力、発語停止など焦点発作、意識減損発作が目立つようになった。発作頻度の増加に平行して記銘力障害が悪化、MRIにて左側海馬萎縮、同側側頭葉前部の異常信号域が認められた。脳波では左蝶型骨誘導に限局した棘波を認めた。抗てんかん薬投与後、発作はほぼ消失、異常信号域も消退した。一方、記銘力障害、海馬萎縮は持続した。複雑部分発作重積後に頭部MRIで限局性異常信号域をみることが報告されている。本症例から、重積でなく短い発作の反復によっても異常信号域を生じ得ると考えられた。
- 日本てんかん学会の論文
- 2001-02-28
著者
-
柏原 健一
岡山大学医学部神経内科
-
柏原 健一
岡山大学医学部神経内科学講座
-
高橋 幸治
岡山大学医学部神経内科
-
出口 健太郎
岡山大学医学部神経内科
-
安部 康二
岡山大学医学部神経内科
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出口 健太郎
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学
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