ウィルス感染が関与したと考えられる抗てんかん薬によるhypersensitivity syndromeの2例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
抗てんかん薬による過敏反応(hypersensitivity syndrome)の出現にウイルス感染が関与したと考えられる2例を報告した。患児1は脳炎/脳症を合併したHHV-6ウイルス感染症の8カ月女児で、phenobartibal投与後21日目より発熱と発疹を呈し、検査上は、血球減少と骨髄での血球貪食像を認めた。患児2は複雑部分発作に対してcarbamazepine投与中、11日目よりtoxic epidermal necrolysisの所見を呈し、のちに麻疹感染の合併が確認された4歳男児。2例ともに原因と考えられた薬剤の中止のみでは軽快せず、ガンマグロブリン製剤の投与は無効であったが、ステロイド剤の全身投与が有効であった。hypersensitivity syndromeの発症機序として高サイトカイン血症や免疫活性を有する薬物代謝産物の関与が想定されているが、ウイルス感染を伴うことによりこれらの反応が助長される可能性が示唆される。抗てんかん薬治療の副作用として、本症の存在を念頭におくことが重要である。
- 日本てんかん学会の論文
- 2001-02-28
著者
-
中澤 友幸
順天堂大学医学部小児科
-
中澤 友幸
順天堂浦安病院小児科
-
高橋 系一
順天堂大学医学部小児科学講座
-
高橋 寛
関東労災病院小児科
-
金子 堅一郎
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院小児科学教室
-
中沢 友幸
順天堂浦安病院小児科
-
渡辺 響子
順天堂浦安病院小児科
-
高橋 系一
順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科
-
渡邉 響子
順天堂大学浦安病院小児科
-
中澤 友幸
国立精神・神経センター神経研究所 疾病研究第一部
-
金子 堅一郎
順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科
-
金子 堅一郎
順天堂大学医学部小児科学
-
金子 堅一郎
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院小児科
-
渡邉 響子
順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科
関連論文
- O1-28 Amplitude integrated EEGによるてんかん発作のモニタリング(脳波4,一般演題(口演),てんかん制圧:新たなステージに向けて,第41回日本てんかん学会)
- 小児焦点性てんかんにおけるガバペンチンの有効性(一般演題,第2回日本てんかん学会関東・甲信越地方会)
- O1-45 小児の良性てんかん患者におけるメンタルヘルス・運動能力の調査(QOL,一般演題(口演),第42回日本てんかん学会)
- 新生児脳波に出現する一過性鋭波の検討
- Amplitude integrated EEGによる発作モニタリングの試み(第1回日本てんかん学会関東・甲信越地方会)
- 先天性血管拡張性大理石様皮斑の2例
- トラニラストによるアレルギー性膀胱炎の1例:本邦小児のアレルギー性膀胱炎の臨床的検討
- 小児欠神てんかんの長期経過と予後(経過と予後)
- E-38 ウエスト症候群遅発例の臨床的検討
- 1D-3 難治性小児てんかんに対するTRH-T投与法に関する検討
- 2B3-18 BECCTのRolandic dischargeに対するclonazepamの効果
- 1B1-18 出生前感染が疑われ、興味ある経過をとった点頭てんかんの3例
- IA-9 正常脳CT所見を呈した点頭てんかん症例の検討
- IA-3 難治性てんかんに対するMexiletine add-on Therapy
- IB-14 思春期の痙攣頻度に及ぼす影響について
- II-A-12 てんかん患児の成長に関する研究
- 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の一例
- C-26 小児てんかんに対するジアゼパム坐剤の臨床的検討
- インフルエンザ菌による小児全身感染症罹患状況
- 小児の喘息およびてんかんの外来治療--新生児および未熟児室の見学
- 小児診療のこつ (実践 小児診療) -- (小児診療のすすめ方)
- 診療上の注意 (実践 小児診療) -- (小児診療のすすめ方)
- ウィルス感染が関与したと考えられる抗てんかん薬によるhypersensitivity syndromeの2例
- 0〜4歳児における睡眠紡錘波の発達的変化
- 子どもの心の異常サイン (子どもの心のケア--問題を持つ子の治療と両親への助言) -- (総論 小児科医のかかわり方)
- A-1 小児欠神てんかんの長期経過と予後
- 乳幼児期の問題行動 (特集 子どもの心を育む)
- ローランド発射出現患者における14&6Hz陽性群発と6Hz棘徐波複合について
- Rolandic discharge出現患者におけるμ律動の臨床的意義
- 前頭部紡錘波および中心・頭頂部紡錘波の発達過程とその意義
- 2E-6 神経皮膚症候群におけるてんかんの臨床的検討
- B-9 小児期中枢神経感染症とてんかんの発症について
- 1A-4 Pz spikeを伴う熱性痙攣児の臨床・脳波学的検討
- IID-12 Benign epilepsy of children with centro-temporal EEG foci (BECCT)の予後に影響する各種要因について
- 1A026 Benign epilepsy of children with centrotemporal EEG foci(BECCT)の臨床, 脳波学的検討
- II-B-7 ACTHの作用機序
- II-B-6 新生仔ラットにおける電撃誘発けいれん, 発達および脳水分・電撃質量に与えるACTHおよびPredonisoloneの影響
- I-A-8 小児痙攣性疾患児における髄液中遊離アミノ酸パターン
- II-A-13 Elマウスの痙攣および脳遊離アミノ酸パターンにおよぼす抗痙攣剤の影響
- C-11 てんかん患児の脳CT所見の異常と発作型の関係
- ACTH療法に抵抗した点頭てんかん症例の検討 (点頭てんかん)
- 小児の血清,髄液および尿中の遊離アミノ酸パタ-ン
- 324.小児気管支喘息のアレルゲンエキス皮内減感作療法(第3回小児アレルギー研究会)
- 髄膜炎 (知っておきたい診療上の留意点--なぜそうするのか,そうしてはいけないのか) -- (治療--各論)
- 無熱性けいれんを併発したRSウイルス細気管支炎の早期乳児例
- 予防--抗けいれん薬の持続投与 (特集 熱性けいれんの臨床) -- (対応の実際)
- 抗てんかん薬による薬剤過敏反応の出現にウイルス感染の関与が考えられた2例(症例報告)
- Benign partial epilepsy in infancyの臨床的検討 (主題 けいれん性疾患)
- D-35 抗てんかん薬による薬剤過敏反応の出現にウイルス感染の関与が考えられた2例
- 周期性ACTH-ADH分泌過剰症に合併した睡眠障害に対するmelatoninの投与
- 当科における小児欠神てんかん診療の実態(経過と予後)
- 無菌性および細菌性髄膜炎の急性期における痙攣について
- A-4 当科における小児欠神てんかん診療の実態
- J-31 ウイルス感染症を契機に発作が消失した点頭てんかんの4例
- 5. ゴナドトロピン非依存性の性早熟症状を併発した重症心身障害の3才5カ月男児例(I. 症例検討,第8回千葉小児成長障害研究会)
- A-4 抗てんかん薬を断薬したてんかん患児(者)の臨床的検討
- 小児神経疾患における髄液中ネオプテリン測定値に関する検討
- 過去10年間における当科のてんかん外来患児の統計的検討
- 2. 熱性けいれん(FC)児の身長発育について(第6回千葉県小児成長障害研究会)
- 6. 高度な低身長に比べて骨年齢の遅延が軽度であった粘液水腫の1例(I. 症例検討,第5回千葉小児成長障害研究会)
- A-34 てんかん患児の外来通院実態調査 : 当院新設後10年間の経験から
- 皮膚症状をきっかけに発見された児童虐待の1例
- B-02 小児のけいれん重積症に対するリドカインの有用性
- てんかん重積症とmidazolam
- Therapeutic orphanからの脱却を目指して-診断・治療ガイドラインの必要性- : I てんかん重積症とミダゾラム
- 67 小児ダニアレルギー気管支喘息における減感作療法とヒスタミン遊離試験との関連について
- 94 非即時型食餌アレルギーを呈したダウン症候群の乳児2例の免疫病理学的検討
- 大発作(強直・間代発作)の診断と治療 (主題 小児に特有なてんかん)
- PANDAS:小児自己免疫性溶連菌感染関連性精神神経障害 (ミニ特集 見落としかねない,見落としてはならない『溶連菌感染の続発症』)
- 第五群のまとめ
- 98 食物アレルギーにおける食物抗原の除去と骨密度
- 265 乳児期早期の特異IgE抗体の低濃度測定
- 247 ヤケヒョウヒダニ特異IgG抗体 : 特異IgE抗体との関連
- 53 生後1ヶ月児の便中IgE値
- TRH analog(DN-1417)経口剤の難治性てんかんにおける臨床試験
- PANDASを知っていますか?
- 小児の感染症に対するJosamycin propionateの使用経験
- 乳幼児の感染症に対するビクシリンSの使用経験
- 中枢神経疾患における髄液中測定物質 (特集 教授定年退職記念講演)
- 生後早期に聴力障害を発見しえた軽微な症状の先天性サイトメガロウイルス感染症
- 3. 造血治療に使用した蛋白同化ホルモンで成長率が急増したFanconi貧血の1例(第4回千葉県小児成長障害研究会)
- 新生児・乳児早期に診断できた腎・尿路系異常の検討-その早期発見における胎児超音波検査の有用性について-
- 9.乳児早期のサイトメガロウイルス(CMV)感染症の成長障害について(I.症例検討,第3回千葉小児成長障害研究会)
- 4.著明な低身長を呈した腸型ベーチェット病の1例(第2回千葉県小児成長障害研究会)
- 198 ヤケヒョウヒダニ特異IgE抗体の早期検出,特異IgG抗体との関連も含めて
- 先天性副腎皮質過形成の長期治療とその成長
- 先天性副腎皮質過形成のステロイド療法とその問題点--主として21-hydroxylase欠損による塩類喪失型の治療について (副腎皮質ステロイド療法とその問題点)
- Pierre Robin症候群--特に最近の概念と小顎症14例の検討
- 著明な黄疸を伴ったReye症候群の1剖検例
- 頭頂中心線上陰性棘波 (Pz spike) に関する臨床的・脳波的検討
- 中枢神経疾患における髄液中測定物質
- アセトアミノフェンによる中毒性表皮壊死症の1小児例
- 新生児脳波に出現する一過性鋭波の検討