前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬ナフトピジルの薬効薬理
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概要
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ナフトピジルはフェニルピペラジン誘導体に属する新規のα1アドレナリン(α1)受容体遮断薬であり,前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬である.ナフトピジルはヒト前立腺膜標品のα1受容体への[<SUP>3</SUP>H]プラゾシンの結合を競合的に拮抗し,Ki値は11.6nMであった.クローニングされたヒトα1受容体サブタイプ(α1a,1b,1d)に対する親和性を調べたところ,ナフトピジルは,α1a-およびα1b-受容体サブタイプに対する親和性よりα1d-受容体サブタイプに対する親和性が約3〜17倍高かった.フェニレフリン投与イヌモデルにおいて,ナフトピジルは血圧に比べて前立腺部尿道内圧に対してより高い選択性を示した.ナフトピジルの前立腺部尿道内圧に対する選択性はタムスロシンやプラゾシンよりも高かった.また無麻酔ウサギtiltingモデルにおいて,ナフトピジルはタムスロシンやプラゾシンよりもtilting時の血圧反射に及ぼす影響が小さかった,臨床試験においても,本剤は前立腺肥大症に伴う排尿障害患者の自覚症状と他覚所見に対する有効性が確認され,本邦において前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬として承認を取得し,臨床で使用されている.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2000-08-01
著者
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