PAF 研究の最近の進歩
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概要
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PAF (血小板活性化因子, Platelet-activating Factor) の構造が最終的に決定されたのは1980年である。ながくその存在意義が不明であったアルキル型コリングリセロリン脂質の2位に酢酸が結合したという極めて単純な構造 (Fig.-1) にもかかわらず, 強力で多彩な生理活性を発揮する。それゆえに第2のイコサノイドとして注目され, この10年間に日進月歩のめまぐるしい研究の進展がみられ, その成果は血小板活性化因子という成書にまとめられている 。90年代に入ってモルモットの肺よりPAF受容体の構造が遺伝子工学の手法で明らかになり, 続いてヒト培養細胞HL-60か (顆) 粒球のcDNAライブラリーからもPAF受容体の構造が決定された。細部では異なるものの, ともにアミノ酸342個から成り, 細胞膜を7回貫通する構造を有している。<BR>本稿ではメディエーターとして確固たる地位を築いた90年代のPAF研究の中で, 分子多様性, 生合成機構及びその分布の普遍性という点について見ていきたい。
- 社団法人 日本油化学会の論文
- 1992-09-20
著者
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