α-FeOOHを原料とする磁性鉄微粒子の保磁力の向上
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概要
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磁性材料のひとつである鉄微粒子は,針状ゲーサイト粒子(α-FeOOH)を出発原料として脱水および還元処理によりヘマタイト,マグネタイトを経由して工業的に製造される.本研究では,鉄微粒子の保磁力の向上を図るために,様々な処理条件のもとで鉄微粒子を製造し,各処理生成物の粒子形状特性および鉄微粒子の保磁力と処理条件の関係について検討を行った.その結果,鉄微粒子の保磁力はマグネタイト還元処理温度に依存し,温度450℃の場合,その一次粒子は針状性を保持し,最大126kA/mの保磁力が得られた.また,ヘマタイト還元処理において,水蒸気あるいは窒素ガスの同伴による水素ガスモル分率の低減および処理温度の低下によりヘマタイトから鉄への直接還元を抑制することができ,とりわけ水蒸気同伴操作を施した場合には,より微小な結晶子が緻密に充填した鉄微粒子が得られ,保磁力の向上に繋がることが明らかとなった.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2001-01-20
著者
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