ろう,ろう型突発性難聴の聴力回復
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概要
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予後不良とされるろう,ろう型突発性難聴の聴力回復について検討し,突発性難聴の病態を考察することを目的とした.初診時の5周波数平均聴力が100dB以上の51例について聴力の回復を検討した.治療は22例に対し外来でステロイドを内服させた.残り29例に対しては入院させ,ステロイド内服以外に高圧酸素療法,プロスタグランジンの静脈内投与,星状神経節ブロックなどを加えた.聴力最終予後は不変例は意外に少なく,5周波数平均聴力として多くは55dBから80dBのレベルにまで回復した.少ないながら2例が治癒に至った.聴力の回復は翌日から始まるものから3週間以上もたってから回復するものまでみられた.2週間以内に回復が始まる症例では最終聴力は多くが55から80dBに分布し,特に早期に回復が始まる症例の一部はそれより良好な予後を示した.2週間以降に回復を開始する症例では,半分の症例で80dBを超える最終聴力を示した.これらの結果からろう,ろう型突発性難聴の病態について考察を加えた.
- 1998-06-20
著者
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佐野 肇
北里大学医学部耳鼻咽喉科
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岡本 牧人
北里大学医学部・耳鼻咽喉科学
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新田 光邦
北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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小野 雄一
北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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平山 方俊
北里大学医学部耳鼻咽喉科
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新田 光邦
大和市立病院耳鼻咽喉科
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小野 雄一
津久井赤十字病院耳鼻咽喉科
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