単分子膜における構造観察と緩和現象
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概要
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単分子膜のなかで, 不溶性単分子膜と吸着単分子膜はまったく別のものであるかのように, それぞれ別の研究者グループによって研究されてきた長い歴史がある。ところが最近, 不溶性単分子膜が圧縮によって相転移を起こし凝縮相を形成するように, 吸着単分子膜にも吸着の過程で凝縮相を形成する直接的な証拠が報告され始めた。この小論では, これらのいくつかの実験事実をもとに, 吸着単分子膜と不溶性単分子膜の間には明確な境界は存在しないことを説明した。吸着単分子膜における相転移と不溶性単分子膜の相転移はまったく同じ現象であること, しかし吸着単分子膜の方が不溶性単分子膜よりはるかに平衡に近いこと, 言い方をかえれば, 圧縮される不溶性単分子膜は非平衡性が高いこと, 不溶性単分子膜のこの非平衡性が, 膜のモルフォロジーあるいはその変化などに現れること, またこの非平衡性が緩和現象として現れること, 等を様々な例を示しながら解説した。
- 社団法人 日本油化学会の論文
- 2000-10-20
著者
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