生体部分肝移植
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概要
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本邦の生体部分肝移植例は総計で約450例に達し,胆道閉鎖症を中心とする小児胆汁うっ滞性肝疾患が約80%を占め,代謝性肝疾患,肝硬変や劇症肝炎などがそれに次いでいる.その5年生存率は約80%であり,欧米の成績と比較しても優れたものといえる.生体部分肝移植を施行するためには患者に肝移植の適応があること,適当なドナーがいること,必要な費用の負担ができることが条件となる.生体部分肝移植では脳死臓器の公平な分配のために設けられた基準には縛られないため,移植の適応や時期を柔軟に考えることが可能である.しかしながら一方ドナーの選択範囲が狭いため血液型,グラフトサイズや肝機能などの問題で適当なドナーが得られず,生体部分肝移植を断念せざるを得ない場合も起こっている.肝移植しか残された治療法のない患者さんたちの期待に応えるためには脳死肝移植も併せて実施できる体制を整えなければならない.
- 1997-06-10
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