近代日本における外国貿易港の配置と貿易額の地域的構成
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概要
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一国の経済地域の構造は経済の構成と発展の地域的投影であるから,この経済地域の構造に現われた特質を分析することによって,その国の経済現象の地域的展開と連関にみられる特異性を把捉することができるはずである。本研究は,外国貿易の展開を日本の近代の経済地域構造にみられる「求心的構造」の形成を解明するための重要な要因であると考えて,1859年~1919年の開港場の設置経過と,各貿易港における貿易額のシェアを統計的に分析した。その結果,幕末から維新期に条約によって開港場に指定された貿易港が, 1859年~1899年の40年間,貿易を事実上独占していること,とくに横浜と神戸の占める割合が圧倒的であること,そして外国貿易の初期こそ開港指定の早い横浜が外国貿易をリードしたが,国内における資本制生産の発展過程で,明治20年代以降に神戸が,また30年代以降に大阪が貿易のシェアを大きく伸ばして,、関東沿岸と近畿沿岸の貿易港のシェアが括抗するような貿易港の地域的パターンが産業革命期に確立していることが,明らかとなった。キーワード:外国貿易,開港場,ヒンタ-ラント,工業立地,産業革命,経済地域
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