ソフトイオン化質量分析によるリン脂質の構造解析
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概要
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グリセロおよびスフィンゴリン質 (ホスホノ脂質を含む) のソフトイオン化質量分析による構造解析のここ八年間の進歩が纏められている。この方法によりリン脂質の種類 (極性基), 分子量, 疎水部の分子種 (構成脂肪酸の総炭素数, 二重結合の数および位置, および位置 (<I>sn</I>-1か<I>sn</I>-2) が同定される。ソフトイオン化法としては高速粒子衝撃 (FAB), エレクトロスプレー (ES) 或いはマトリクス支援レーザー脱離 (MALD) がその原理, 方法, 生じた分子イオン, フラグメントイオン, 及びプリカーサーイオンのMS/MSにより生ずるプロダクトイオンから得られる情報について述べられている。質量分析計としては磁場セクター型, 四重極型, 飛行時間型およびフーリエ変換イオンサイクロトロン型が述べられた。ジアシル型とエーテル結合型リン脂質の区別は後者にはカルボン酸イオンが一つしか生じないことから行われる。
- 社団法人 日本油化学会の論文
- 1998-10-20
著者
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