海産動物複合脂質およびその構成成分の構造に関する研究
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概要
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本総説は海産動物の複合脂質およびその成分の構造についての研究を記述した。複合脂質は外界からの情報の受容, 他の細胞の認識, 抗原としての作用のような重要な生理機能を多く持っている。我々は脂肪酸と長鎖塩基からなるセラミド部に糖鎖が結合した構造をしているスフィンゴ糖脂質と, セラミドとアミノエチルホスホン酸またはN-メチルアミノエチルホスホン酸 (後者を含むものは我々の研究室で初めて見出された) からなるスフィンゴホスホノ脂質について重点的に研究した。種々の海産動物から抽出単離した複合糖脂質について構造決定を高速原子衝突法質量分析 (FAB/MAS), ガスクロマトグラフィー-マススペクトロメトリー (GC/MS) および種々の化学反応を用いて行った。<BR>その結果, 本研究では新規長鎖塩基, 新規糖鎖および新規スフィンゴ脂質が多く見出された。これにより海産動物は陸棲動物とは異なる多くのユニークな構造を持つスフィンゴ脂質およびその成分を有することが明らかになった。
- 社団法人 日本油化学会の論文
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