タイヤのトレッド摩耗に関する研究-スリップ角が小さい場合の摩耗-
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概要
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フラットベルト式タイヤ試験機を用いて, 小さなスリップ角で転動させた場合のタイヤのトレッド摩耗に及ぼす諸因子の影響を求めた. まず実験を実施するに当たり, 試験機の精度を改善するとともに, 環境条件を厳密にコントロールすることにした. 試験機の精度の改善は, スリップ角を1/100度まで測定できるようにし, スリップ角の変動の原因となるベルトの蛇行を極力小さくした. 環境条件は, セーフティウオーク表面やタイヤ表面に粘性のあるゴム屑が付着するのを防止するため一定量のマイカ粉をタイヤトレッド表面に静電塗装し, 表面の白さを測定し白さが一定になるよう自動制御を行っている. 同時にタイヤトレッド表面温度を測定し赤外線ランプにより表面温度が一定になるよう自動制御を行っている. 摩耗量の測定は, 真空乾燥機で乾燥させた後, 精密電子天秤で6桁(0.1gr)の単位まで測定している. その結果, 比較的短時間で摩耗率の測定が可能となり, 次の点が明らかとなった. 慣らし走行の影響, スリップ角および横力の影響, 荷重の影響, 内圧の影響, 走行速度の影響, 温度の影響, 更に3種類のタイヤについて測定された摩耗率と横力係数の関係を用いて, ある路面コースを走行させたときの横加速度の頻度分布を仮定して摩耗指数を計算した結果, 厳しさ(横力の大小)によってタイヤ間の差が異なることがわかった.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
- 1995-01-15
著者
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