広島湾北部海域の酸素収支に関わる物理、生物・化学過程の評価
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概要
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1995年〜2004年の10年間における広島湾北部海域下層(水深5 m以深)の月毎の酸素収支を見積もった。春と夏に生物・化学過程による酸素消費によって酸素濃度が減少し、秋と冬に物理的過程による酸素供給で酸素濃度が上昇することが明らかとなった。生物・化学過程による酸素消費は、過去に調査された海底泥による酸素消費と比較して1〜2桁大きく、単純に海底泥の有機物汚染と貧酸素化を関連付けることができないと考えられた。物理的過程としてはエスチュアリー循環による酸素フラックスが大きいものの、流入量と流出量の差は他の過程と比較して小さく、秋からの酸素濃度の上昇には広島湾北部海域上層(水深5 m以浅)からの拡散による酸素フラックスが大きく寄与していた。今後は生物・化学過程の中身についても検討を加え、貧酸素化対策の方向性について議論しなければならない。
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