<原著>プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)動態からみた急性心筋梗塞時の冠血管形成術におけるモンテプラーゼ先行投与の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
急性心筋梗塞(AMI)の治療法として遺伝子変異型組織プラスミノゲンアクチベーター(mutant t-PA)であるモンテプラーゼ27,500 IU/kgの単回静脈先行投与と経皮的冠動脈形成術(PCI)の併用療法の妥当性を血漿プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)動態から検討した。AMI患者126例を併用療法群(C群)58例とPCI単独施行群(P群)68例とに無作為に割付けし,血漿PAI-1抗原量をLPIA法で経時的に測定した。C群では初回冠動脈造影時TIMI II-IIIが得られた症例はTIMI 0-Iだった症例に比べ,搬入時PAI-1抗原量が有意に低値であった(P<0.05)。PAI-1抗原量は両群とも搬入時に正常基準値より高値であり,PCI後さらに上昇を認め24時問後までにピーク(C群:147.6±16.2%,P群:195.6±28.5%)を示した。しかし,その経時変化は両群間で有意差はなかった。ステント非留置症例では,48時間後のPAI-1抗原量はP群ではC群に比べ有意に(P<0.05)高値であった。以上の結果より,AMI発症早期に通常量のmutant t-PAであるモンテプラーゼの単回静脈投与は血漿PAI-1動態に影響を与えず,また本剤の先行投与はPCIとの併用療法でPAI-1動態に影響しないことが明らかとなった。
- 2003-07-25
著者
関連論文
- 38)PTCAで改善した完全房室ブロックを伴う急性心筋梗塞の2症例
- 心電図にて虚血性心疾患を疑った肺血栓塞栓症の一例(第195回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 46) 左室造影にて振り子様運動を呈し心膜欠損を疑った症例(第189回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 74) 経皮的腎動脈形成術にて加療した腎血管性高血圧症の2症例 : 血管内超音波検査とプレッシャーワイヤーを用いて
- P873 甲状腺機能障害における心筋脂肪酸代謝の評価 : 123I-BMIPPによる検討
- 73) 心不全症状で発見された巨大右冠動静脈瘻の一例
- 15) Wiktor stent留置時のcoronary ruptureをbail outした右胸心の一例
- 著明な持続性ST上昇を認め,多要因の関与が推定された興味ある一症例(第188回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 19) 急性心筋梗塞を発症した64歳の修正大血管転位の一例
- 内科的治療で経過を診えた左主幹部急性冠動脈症候群の一例(第196回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)動態からみた急性心筋梗塞時の冠血管形成術におけるモンテプラーゼ先行投与の影響
- プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)動態からみた急性心筋梗塞時の冠血管形成術におけるモンテプラーゼ先行投与の影響