<原著>皮下,粘膜下における海綿状血管腫および静脈性血管腫の免疫組織学的検討 : 特に肉芽組織型血管腫との比較において
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概要
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血管腔の著明な拡張を呈する形態学的特徴をもつ海綿状血管腫(CH)および静脈性血管腫(VH)の増殖様式と形態形成機序を解明するため肉芽組織型血管腫(GTTH)を対照群に,細胞増殖因子,血管新生調節因子,細胞外マトリックスについて免疫組織学的に比較検討を行った。海綿状血管腫,静脈性血管腫のKi-67は,肉芽組織型血管腫よりも低く,緩徐に増殖する腫瘍とみなされた。血管新生調節因子のうちTGF-βは海綿状血管腫および静脈性血管腫の間質層において有意に低値であり,PDGFは海綿状血管腫の間質層において有意に高値であった。TGF-βは,これら二つの腫瘍における異常な血管拡張に対し中心的な役割を果たしていることが示唆された。PDGFのスコア値の差は海綿状血管腫と静脈性血管腫の壁細胞分布の違いに関与していることが示唆された。Type III collagenは間質層において,fibronectinは内皮層において両腫瘍とも高値だった。血管新生の過程において,従来検討の少なかった線維芽細胞をはじめとする間質層の細胞の役割が重要である。
- 獨協医科大学の論文
- 2003-03-25
著者
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