透明ポリエチレンフィルムの土壌表面被覆による太陽熱処理の雑草防除効果
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概要
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雑草防除のために化学的に合成された除草剤の使用を減らす目的で、畑地において透明ポリエチレンフィルムを用いた太陽熱処理について検討した。室内試験において、55℃で雑草発生を完全に抑制するには48時間以上の恒温処理を必要としたが、雑草発生の抑制は処理6時間後ですでに観察された(表1)。同様に、50℃では雑草発生の抑制には48時間以上、45℃では168時間の恒温処理で25℃に比べて有意に抑制された。1997年から2001年の夏に中央農業総合センター谷和原畑圃場で太陽熱処理試験を実施した。試験期間を通じて、4週間の太陽熱処理によって、スベリヒユの雑草発生の抑制効果は年によって異なったが(表5)、除草剤(ベンチオカーブ・プロメトリン粒剤、20kg/ha)散布と同様の雑草抑制効果が得られた(表3)。これらの結果は、大部分の雑草が発生する深さ2cm(表2)までの55℃以上の積算温度によって説明することが可能である。以上から、作物の播種あるいは移植前に不耕起にする必要があるものの、畑地において透明ポリエチレンフィルムによる太陽熱処理は効果的な雑草管理技術と結論される。
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