同種骨髄移植後のVeno-Occlusive Disease (VOD)についての検討
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概要
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同種骨髄移植(移植)後にみられた肝中心静脈閉塞症(VOD)について検討した.対象は死後剖検が可能であった血液疾患20例である.組織学的に肝中心静脈に閉塞または高度の狭窄がみられた場合にVODと診断した.8例(40%)に組織学的にVODの所見がみられ,VODとしての臨床症状を欠く潜在性VOD 5例とVODが死因となった進行性VOD 3例であった.肝機能検査ではVOD例はVOD(-)例よりも異常の程度がつよく,特に進行性VODでは総ビリルビンの上昇が著明であった.組織学的所見では中心静脈の閉塞,狭窄の他に,小葉内のうっ血,肝細胞の壊死,脱落,胆汁うっ滞,ヘモジデリンの沈着などもみられ,進行性VODでは潜在性VODよりも分布が広く,程度がつよかった.進行性VODの3例中2例は,移植後5カ月以降に黄疸と腹水でVODを発症し,従来の報告とは異なり,発症時期の遅いVODの存在が注目された.
著者
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