小笠原諸島母島における陸産貝類の現況とその価値について
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概要
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小笠原諸島母島の陸産貝類は、最近10年間の調査により、依然として8割近くの在来種が現生し、小笠原で最も多くの現生種を有するとともに、多彩な進化が進行する類い稀な生物進化のモデル系であることが明らかになった。特に石灰岩地である石門の陸貝は、個体群の劣化は著しいものの、まだ多くの在来種が現生し、兄島と並ぶ高い種の多様性と固有性を誇る、極めて重要な固有種の生息地であることがわかった。しかし有人島としての制約から、母島の陸貝が直面している脅威を排除することは現状では困難である。まずは母島の陸貝の現状とその重要性について、保全に関わる行政、住民、研究者への理解を広めることが緊急の課題である。
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