オオクチバスの季節的食性の変化--奈良県桜井市・別所谷池と大和川・大西地区を事例として
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概要
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北米を原産とするオオクチバスは本国において、ニッチが大変広くその生態が在来生態系に与える影響は大変に大きいと考えられている。しかし、その生態に関する多くの研究事例はあるが、不鮮明な生態も多くその解明が急がれている。本研究では河川(開放水域)と閉鎖水域(池)という全く違う環境下におけるオオクチバスの食性調査を季節ごとに行い、在来生態系保護の一助とする目的で行った。調査は釣獲で行い、その結果、開放水域では年間を通してコイ科魚類を中心とする魚食性の食性であった。しかし、閉鎖水域ではフサカ科幼虫やユスリカ類幼虫など水生昆虫を中心とする食性であった。開放水域より閉鎖水域では捕食対象となりうる魚類は退避する場所が少なく、絶滅に至ってしまった可能性が極めて高いと考えられる。今後への課題として教育やシンポジウムを中心とした啓発活動や池の水抜きなどの対策が必要であると考える。
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