音楽情報学の範躊とその基礎づけ(音楽表現学科)
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概要
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本稿は音楽情報学がどういう範囲を指すかを論ずるが、<音楽情報学>は本学芸術情報学部の学部名称に由来する新しい分野である。最近の権威ある音楽事典に「音楽情報学」の項はなく定義されてもいないので、「コンピュータと音楽」の範躊をその最近の事典で、20年前に出版された旧版と比較しながらレビューしたい。「コンピュータと音楽」の分野はこの20年で応用志向の分野に成熟したように見受けられる。しかしその全域は今でも、科学技術の観点から見るか応用の観点から見るかにより異なるカテゴリー化が可能である。さらに重要なのは、今日ほとんどどの音楽の題目も潜在的には、コンピュータの使用を伴う対象かもしれないということである。<音楽情報学>はコンピュータ主導の領域に注意を集めるべきではなく、アルゴリズム作曲や音楽理論・音楽分析の研究に集中すべきである。<音楽情報学>の定義によりその範疇と問題構制は明確になるであろう。
- 尚美学園大学の論文
- 2003-03-31