栽培が容易で良食味のアールス系メロン新品種'秋田甘えんぼ(秋試交2号)'の育成と特性
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概要
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1)‘秋田甘えんぼ’は「アールス系メロン」と「純系アールス」のF1品種である。母本(M94-SE49)は‘アールスセイヌ夏II’の後代選抜固定系統で、果実外観と日持ち性に優れ、うどんこ病に強く、つる割病の抵抗性を保持している。父本(M95-AS2)は「純系アールス」の一品種‘アールスフェボリット夏系’の選抜固定系統で、極めて食味が良い。2)生育特性は、草丈が低く、葉が小さくコンパクトな草姿で着果が安定している。また収穫期まで葉色が濃く草勢いの衰えが少ないので、栽培が容易である。3)果実の外観特性では、大きさが適度で縦/横比が1.04と球形に近い。果皮色は灰緑で、ネットはやや細めながら密に発生して縦ネットと横ネットのバランスが良い。4)果実の内容特性は、糖度が高く、果肉色の黄色みが強く、果肉はメルティング質で「純系アールス」に極めて近い食味である。収穫後の適食期間は7日~12日程である。5)病害抵抗性は、県内で最も広く栽培されている‘アールスナイト夏系2号’と同程度である。つる割病(レース0、レース2)に抵抗性で、うどんこ病に対しては耐病性があり、軽度の発病は認められるが、罹病性の‘アールスフェボリット夏系’と比較して明らかに強い。6)本品種は高温適応性が高い反面、低温肥大性は劣るため、果実肥大期が高温期にあたるハウス抑制栽培に適応する。なお最適播種時期は、梅雨の影響を受けない6月上旬~7月上旬の1ヵ月間であり、収穫期は9月下旬~10月中旬である。
- 秋田県農業試験場の論文
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