区間解析を用いた非線形常微分方程式の境界値問題の解の存在の数値的検証法
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概要
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本稿では次の非線形常微分方程式の境界値問題を扱う。(dx)/(dt) =f(x,t), t∈J=[-1,1], g(x)=0.(1) ただしxはn-次元ベクトル,f(x,t)はn-次元ベクトル値関数である。また、gはn-次元ベクトル値汎関数である。通常、このような非線形境界値問題を解折的に解くことは難しいので、数値計算により近似解c(t)を求めることが多い。しかし、数値解が得られてもその近くに問題の真の解が存在するか否かや、数値解がどの程度真の解に近いかについては必ずしも明らかでないことが多い。そこで、近似解c(t)の近くに真の解が存在することの十分条件を明らかにし、近似解c(t)と真の解との間のシャープな誤差評価を与えることは大変重要な数値解析の問題となる。したがって、この間題は多くの著者によって研究されてきた。中でも故占部実教授は簡易ニュートン法の収束定理である"Urbeの定理"を用いて非線形境界値問題(1)の解の存在定理を導いた。これは1966年のことであり、解の精度保証理論が注目されている現在から30年も前にこのような先駆的な研究が行われていたことは注目すべきことである。Urabeの結果は大変応用範囲が広く、Urabe理論を用いて式(1)の形の多くの問題に対してその数値解の誤差評価がUrabe、篠原能材、Norio yamamoto、Fujii、Shintani、Hayashiらによって行われ、その優効性が実証されている。更に、山本哲朗は擬距離空間の理論を用いて、式(1)の数値解の誤差をベクトルxの各成分ごとに最大値ノルムで評価する、成分毎評価法を与え、シャープな誤差評価ができることを示している。本稿では、この方法を更に進め、計算機によって、近似解c(t)と真の解x^*(t)の各t毎の誤差|c(t)-x^*(t)|の評価も可能であることを報告する。具体的には、まずKrawczyk作用素の無限次元への拡張が式(1)に対するUrabeの簡易ニュートン作用素に対して定義可能であることを示す。次に、Caprani、Madsen、Rallらによって展開された区間関数の積分理論を用いて、Urabeの簡易ニュートン作用素を近似解c(t)を中心とする閉集合に作用させたときの像が計算機によりシャープに評価できることを示す。
- 1994-09-26
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