ビククリンの扁桃体注入によるてんかん様発作の発現について : 急性大量および少量反復投与による検討
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概要
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てんかん焦点におけるGABA神経系の役割を解明する目的で, ラットの扁桃体にGABA拮抗薬のビククリンを急性または慢性投与し, 得られたてんかん様反応について検討した。ビククリンの大量(10nmol)を扁桃体に1回注入したところ, けいれん重積状態となり部分けいれんを繰り返した後, 全身けいれんが出現した。ビククリンの少量(0.2または0.4nmol)を4日毎に注入したところ, 初期の投与ではけいれん発作は認めなかったが, 約5回の注入で全身けいれんが出現し化学キンドリングが作成された。組織学的には, 急性大量投与群にのみ海馬錐体細胞や梨状葉皮質などに顕著な神経細胞の変性脱落を認めた。以上より, 扁桃体に分布するGABA神経の機能的抑制が扁桃体焦点発作を誘発し, その反復が二次全般化を促したものと考察した。
- 日本てんかん学会の論文
- 1988-10-31
著者
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