ネコ側頭部皮質キンドリングの長期経過と大脳辺縁系の関与について
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概要
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側頭部皮質焦点発作の長期経過を検討する目的で12匹のネコを用いて側頭部皮質を100日間電気刺激し(オーバーキンドリング), その後100日間の刺激休止期を置いて再刺激を行った。その結果, 1)オーバーキンドリングにより4匹で安定した全身けいれんが出現するようになり(安定群), 他の8匹は一旦全身けいれん出現後に, ほとんど部分けいれんしか出現しなくなった。2)安定群では100日の休止期後にも発作性放電がみられたが, 不安定群ではこれがみられなかった。3)休止期後の再刺激では安定群, 不安定群にかかわらず7匹中6匹で初回刺激時から全身けいれんが出現したが, 不安定群ではその後ふたたび部分けいれんしか出現しなくなった。4)安定群のネコ4匹中3匹で再刺激後に脳波行動上大脳辺縁系起源と考えられる自発けいれんが繰り返し出現した。これらの結果は側頭部皮質でも長期持続性のてんかん原性変化が形成されうること, 発作の反復によって大脳辺縁系に二次てんかん原性変化が形成されることを示しており, 長期にわたる発作の反復がてんかん難治化の要因となりうることを示していると考えられる。
- 日本てんかん学会の論文
- 1988-04-30
著者
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