いわゆるビデオゲームてんかんの1例
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概要
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症例は17歳の男性で, ビデオゲームをしていると気分が悪くなり, 意識がなくなることを主訴とし, 精査目的で九大病院精神科を受診した。昭和58年, 昭和61年, 平成元年10月, 平成2年4月19日に合計4回の発作があった。1回目と2回目のゲームは特定できなかったが, 3回目と4回目はいずれもビデオゲームの「上海」が関与していた。脳波では, 光刺激も含めて異常を認めなかった。「上海」を行わせながら脳波を記録すると, 両側・広汎性の棘徐波群発が出現し, 同時に気分不良を訴えた。水玉, 斜線図形の凝視や点滅, 赤色フィルターの点滅を行ったが発作波の出現は見なかった。視覚誘発電位, MRI, SPECTに異常を認めなかった。ビデオゲームは, 視覚刺激に加えて注意集中などが必要であり, 強い発作誘発要因となりうる。また, ビデオゲームで特異的に発作が誘発されるてんかんが存在する可能性がある。
- 日本てんかん学会の論文
- 1994-06-30
著者
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