悪性線維性組織球腫の1例
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概要
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61歳,女性。2ヵ月前より右上腹部に皮疹が出現したため当科受診。初診時,右上腹部に11×9mmの暗紅色結節を認めた。全摘生検では表皮直下からほぼ真皮内に限局する境界明瞭な病変であり,grenz zoneやepidermal collaretteはみられず,病変周囲の真皮にsolar elastosisもなかった。腫瘍細胞は異型のある紡錘形の細胞が主体で,striformパターンを示して密に増殖していた。組織球様の円形細胞や,奇怪な核を持つ巨細胞もみられた。免疫組織化学的には,α-SMAとlysozymeは一部陽性。actin,myosin,desmin,S-100は陰性。MIB-1は20%の腫瘍細胞で陽性だった。以上より,悪性線維性組織球腫と診断した。さらに拡大切除術を行い,分層網状植皮術を施行した。術後6ヵ月経過するが再発なく経過良好。
- 日本皮膚悪性腫瘍学会の論文