脂漏性角化症から生じた基底細胞癌
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概要
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88歳,女性。初診2週間前に下腹部の結節を指摘された。初診時,下腹部に40×40mm大の広基性に隆起する淡褐色結節があり,多数の面皰がある。中央部には増殖性潰瘍を伴っている。ダーモスコピーでは,辺縁部に多数のcomedo-like openingsを伴うfissures and ridgesがみられる。病理組織学的に,辺縁部は偽角質囊腫を有する網状型脂漏性角化症であり,中心部は充実型基底細胞癌である。その境界部では両者が混在しており,中心部の基底細胞癌が脂漏性角化症の網目状上皮索に沿って浸潤している像である。免疫組織化学的にはBer-EP4が基底細胞癌部分のみに陽性で,それ以外のマーカーも両腫瘍にそれぞれ矛盾しない所見である。脂漏性角化症の悪性化については賛否両論があるが,本症例は臨床・病理組織・免疫組織学的に脂漏性角化症から基底細胞癌が生じたと考えられる。
- 日本皮膚悪性腫瘍学会の論文
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