大腸がん検診の適正な要精検率をめざして
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概要
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2001年度から2005年度までの5年間に免疫便潜血検査(カットオフ値40ng/ml)151,839件(要精検率7.6%, 精検受診率66.2%)から発見された332件の大腸がん(早期235件, 進行66件, 不明31件)を対象とし, カットオフ値を変動して要精検率と偽陰性率がどのように変わるかを検討した。ROC分析ではカットオフ値110ng/ml(要精検率3.1%)が最適であったが, この時の偽陰性率は36.7%(早期がん101, 進行がん10, 深達度不明11)であった。一方, カットオフ値を60ng/mlとした場合の要精検率は5.2%で, 偽陰性率は16.6%(早期45件, 進行6件, 不明4件)であった。カットオフ値60ng/mlで偽陰性となる進行がん例は全て60歳以上であり, また50歳未満での検診を契機に発見された大腸がん27件中24件(88.9%)は早期がんであった。40歳代からの逐年検診を前提とするのであれば, 要精検率は5%程度(カットオフ値60ng/ml)が妥当と思われた。
- 一般社団法人 日本消化器がん検診学会の論文
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