浸潤性胸腺腫・重症筋無力症の経過中にびまん性汎細気管支炎,脱毛症,味覚障害,胆管炎,筋炎を合併した1例
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概要
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症例は死亡時58歳の男性である.40歳時に複視が出現し,43歳時に浸潤性胸腺腫・重症筋無力症と診断された.ステロイド治療を開始し拡大胸腺摘出術と放射線治療を施行したが,53歳時に胸腺腫が再発した.55歳時に喘鳴と慢性副鼻腔炎が出現し,びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis; DPB)と診断した.56歳時に脱毛症,57歳時に味覚障害と胆管炎,筋炎を発症した.ステロイド増量により脱毛症,味覚障害,胆管炎,筋炎は改善したが,DPBにともなう呼吸不全により58歳で死亡した.本例は,胸腺腫関連重症筋無力症に多彩な自己免疫性の合併症を呈し,抗Kv1.4抗体が陽性であった.またHLA-B54陽性でDPBをともなった点が特異であった.
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