抗RNP抗体高値を示した17症例の解析
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概要
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当院開設以来, 現在までに抗RNP抗体が10,000倍以上の高値を示した17症例につき検討した。その内訳はSLE 5例, PSS 3例, MCTD 7例, UCTD 2例で, MCTDの6例とUCTDの全例およびPSSの1例の計9例は抗RNP抗体単独高値, SLEの5例とPSSの2例は抗DNA抗体ないし抗Sm抗体常時併存例であつた。性別では女子が15例と圧倒的に多く, 初発症状としてはレイノー現象が12例と最多を占めた。レイノー現象, 関節症状, 高<I>γ</I>-グロブリン血症, リウマチ因子が各種膠原病の枠をこえて共通して高頻度に認められ, 抗RNP抗体は疾患特異抗体というより症状特異抗体と考えられた。MCTD例ではレイノー現象, 関節症状, 手指背の腫脹, 肺線維症が高頻度に陽性であつた。腎症合併例はなく, ステロイド剤に対する反応性は全般的に良好であつた。抗RNP抗体の抗体価は, ステロイド治療にもかかわらず高値を持続している症例が多くみられた。以上より, 抗RNP抗体単独高値例はいずれかの膠原病に明確に分類しがたい場合が多いのに対し, ほかの自己抗体併存例ではSLEないしPSSの特徴を示していた。ここで抗RNP抗体とは抗ENA抗体RNase感受性抗体をいう。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
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