帝王切開術1カ月後に大量***出血を認めた子宮仮性動脈瘤破裂の1症例
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概要
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子宮仮性動脈瘤は帝王切開術,子宮筋腫核出術,子宮内容除去術などの子宮手術の術後や分娩,帝王切開術後経腟分娩,胎盤用手剥離後などにも生じうる.子宮仮性動脈瘤はまれな合併症ではあるが,その破裂による大量出血により致死的な経過をたどることもあり,***出血の鑑別診断として重要である.われわれは帝王切開術施行1ヵ月後に大量***出血をきたした子宮仮性動脈瘤破裂の症例を経験したので報告する.症例は33歳,1経妊0経産,特記すべき既往歴はなかった.妊娠41週0日に分娩第2期において分娩停止と診断され,緊急帝王切開術により3314gの児を娩出した.術後33日目に突然の大量***出血により当院へ救急搬送となった.骨盤部造影CT検査で左子宮動脈に7mm大の腫瘤を認めた.骨盤部血管造影検査では左子宮動脈に拍動性出血を呈する動脈瘤を認め,子宮仮性動脈瘤破裂と診断し,選択的左子宮動脈塞栓術を施行した.ゼラチンスポンジでは止血し得ず,NBCA(N-butyl-2-cyanoacrylate)を用いて止血し,子宮温存が可能であった.濃厚赤血球を10単位,新鮮凍結血漿を6単位輸血し,出血量は計2370mlであった.子宮動脈塞栓術後に再出血は認めず,術後12日目に退院となった.〔産婦の進歩66(3):271-276,2014(平成26年8月)〕
- 近畿産科婦人科学会の論文
著者
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西尾 幸浩
大阪警察病院
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久本 浩司
大阪警察病院
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柏原 宏美
大阪警察病院
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笹野 智之
大阪警察病院
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塚原 稚香子
大阪警察病院
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松田 万里子
大阪警察病院
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國重 一郎
大阪警察病院産婦人科
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西尾 幸浩
大阪警察病院産婦人科
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國重 一郎
大阪警察病院
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