医薬品・医療機器等安全性情報報告制度への取り組み:—4症例の検討をもとに—
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概要
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医薬品・医療機器等安全性情報報告制度における報告義務者として,業務上で医薬品および医療機器(以下,医薬品等)を扱う医療機関の関係者が位置づけられている.しかし,現状では厚生労働省に報告される情報の多くは,製薬企業を経て提供されたものであり,発生源の病院等からのものは少ない.最近,報告手段として電子メールの活用が図られたことから,積極的に報告する体制づくりを実施したので報告する.報告体制として,薬剤師が積極的に医師に医薬品等に起因すると考えられる副作用を経験していないか,機会を捉えては照会し,副作用・不具合症例があれば,医師より聞き取る.その聞き取り情報をもとに電子カルテシステムを活用して,薬剤部にて報告書の素案を作成し,同素案について当該医師と協議し,加筆修正等を実施後,厚生労働省へ電子メールで送信するシステムを確立した.報告体制を確立する前は,医薬品等によると考えられる副作用・不具合症例は見いだされてはいたものの,厚生労働省への報告は実施していなかった.体制を確立したことにより,これまで報告すべきであった症例を順次報告することができ,3か月間に4例を報告した.今後は,多職種の医療従事者で構成されている医療安全委員会において,副作用報告制度の啓発活動を行い,医薬品だけでなく医療機器を含めて,その安全性情報報告制度への取り組みが,病院全体に浸透するよう活動を深めていくことが重要であると考えている.
著者
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田中 勝也
ホスピタル坂東こころの診療科
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富田 隆
ホスピタル坂東薬剤部
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幸田 幸直
ホスピタル坂東薬剤部
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後藤 英和
ホスピタル坂東薬剤部
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吉田 正
ホスピタル坂東
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吉田 正
ホスピタル坂東内科
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米島 美穂子
ホスピタル坂東薬剤部
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小島 千賀子
ホスピタル坂東薬剤部
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中西 利恵
ホスピタル坂東薬剤部
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文 鐘玉
ホスピタル坂東こころの診療科
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市川 卓生
ホスピタル坂東内科