皮膚老化において重要な役割を担う血管・リンパ管
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概要
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皮膚には血管・リンパ管からなる微小循環系がはりめぐらされており,皮膚は全身の臓器と同様に,血管から栄養や酸素を供給され,リンパ管から過剰な水分や老廃物を排出されることで恒常性を維持している。皮膚の恒常性維持に微小循環系は重要と考えられるが,皮膚老化への関わりとその分子メカニズムについては未知な部分が多かった。本研究では,加齢による皮膚老化が循環系機能の低下によって引き起こされ,さらにその循環系機能を血管安定化にかかわる受容体Tie2 (endotheliumspecific receptor tyrosine kinase 2) が制御することを明らかにした。まず,ヒト皮膚組織を用いて循環系変化を解析したところ,加齢で血管およびリンパ管の構造が不安定化し,機能が低下していた。さらに,そのメカニズムはTie2の活性化の低下に起因していた。Tie2は血管と同様,リンパ管機能や成熟化にも寄与しており,Tie2の活性化が血管・リンパ管の安定化に重要であった。そこで,Tie2を活性化する薬剤を網羅的に探索した結果,ケイヒエキスを同定した。
- 日本化粧品技術者会の論文
著者
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本山 晃
株式会社資生堂医薬品研究所
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加治屋 健太朗
株式会社資生堂 リサーチセンター
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高倉 伸幸
大阪大学微生物病研究所
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大田 正弘
株式会社資生堂 リサーチセンター
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澤根 美加
株式会社資生堂 リサーチセンター
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山西 治代
株式会社資生堂 リサーチセンター