韓国における詐欺による保険金請求に関する研究:(姜光文・訳)
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概要
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保険金の詐欺請求は,韓国社会において深刻な社会問題となっているが,現行の商法保険編には,保険詐欺を抑制できる適切な立法規定が設けられていない。<br />本論文は,まず,韓国における保険金の詐欺請求の実態を紹介し,その深刻さを指摘する。次いで,詐欺請求に関する保険約款の規定および保険金詐欺事件に関する判例の立場をまとめた。更に,詐欺請求に対する日本など諸外国法の立法規定を紹介し,韓国商法保険編の改正過程における関連立法試案の作成経緯,その内容及び問題点について検討した。かかる分析を通じて,近い将来に立法予定のにその要件と効果を明確にし,一定な内容に関する著者の見解を示した。<BR>具体的には,詐欺請求によって信頼が失われた保険契約を保険者は解除することができ,かつ,過大請求がなされた場合に保険者はその支払責任から免責されながらも,他方で,過大請求の場合に,保険者の免責が濫用されないようにその要件と効果を明確にし,一定の制限を設ける必要があると結論付けた。
- 日本保険学会の論文