集中治療室に入室した血液悪性腫瘍患者の予後の検討
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概要
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重症患者の生存率は臓器障害の病態生理学の進歩により改善してきている。しかし血液悪性腫瘍患者の予後はICU入室後も依然として悪い。今回,当院ICUに入室した血液悪性腫瘍患者の予後に及ぼす背景因子を後方視的に調査した。2005年から2011年に入室した患者の年齢・性別・ICU入室理由・Acute Physiology and Chronic Health Evaluation(APACHE)IIスコア・基礎疾患・臓器障害・汎血球減少・骨髄移植・入室期間・呼吸管理〔noninvasive positive pressure ventilation(NPPV)を含む〕・死亡理由・ICU死亡率・院内死亡率を調査項目とした。35人が入室し,ICU死亡率は57.1%だった。NPPVのみで管理できた症例では,気管挿管を施行した症例に比べてICU死亡率が低かった。また臓器障害数とICU死亡率は関連を認めた。ICUに入室する血液悪性腫瘍患者の予後は依然不良であった。呼吸不全以外の臓器障害が軽度であれば,NPPVによる呼吸管理は呼吸不全の治療として有効であると考えられた。
- 一般社団法人 日本集中治療医学会の論文
著者
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西村 匡司
徳島大学病院救急集中治療部
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中瀧 恵実子
徳島大学病院救急集中治療部
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今中 秀光
徳島大学病院er・災害医療診療部
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小畠 久和
徳島大学病院救急集中治療部
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奥田 菜緒
徳島大学病院救急集中治療部
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綱野 祐美子
徳島大学病院救急集中治療部
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板垣 大雅
徳島大学病院救急集中治療部
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小野寺 睦雄
徳島大学病院救急集中治療部
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