逆波長分散性を有する新規な重合性液晶とその特性
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概要
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従来から逆波長分散性を有する材料としては,フルオレンを用いたポリカーボネート共重合樹脂が知られているが,逆波長分散性を有する重合性液晶化合物によれば,より薄膜化された光学補償材料の提供が可能となる.われわれは,産業上利用可能な性能バランスの逆波長分散性を有する重合性液晶化合物LCK-5059(開発コード名,以下同様)を開発したので,その特性について報告する.液晶化合物の分子構造は,従来の剛直な構造だけではなく,フレキシブルな分子構造を新たに導入することで,フィルムに塗布された後,液晶相で自己組織化する際に逆波長分散が提供される構造が形成される設計とした.また,このLCK-5059を用いた1/4 λ位相差板を用いた偏光板型反射防止フィルムは,550nmでの反射率が1.16%であり,OLED用反射防止フィルムなど産業上利用できる実用的な反射率であった.また,その視野角特性も優れていることがわかった.
- The Institute of Image Information and Television Engineersの論文
著者
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坂本 圭
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 新材料開発研究所
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奥山 久美
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 新材料開発研究所
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桐木 智史
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 新材料開発研究所
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平 加奈子
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 新材料開発研究所
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相松 将
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 精密光学研究所
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大石 仁志
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 精密光学研究所
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周 宏晃
日本ゼオン株式会社 総合開発センター 精密光学研究所