熱CVD法を用いた水平管型反応器内のTiN薄膜生成過程における熱物質移動解析
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概要
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水平管型反応装置中において熱化学蒸着法を用いた窒化チタン(TiN)フィルムの成膜速度を実験および数値解析を行い検証した.原料として四塩化チタン(TiCl4)を選択し,TiCl4の蒸気はリアクター中で窒素および水素と混合させた.TiCl4の初期モル分率は約0.0003とし,リアクター出口での圧力は約50700 Paとした.管型反応装置内の軸に沿った成膜速度分布は2つの領域が存在した.第1番目の領域では,成膜速度が反応器の内壁温度TIWの上昇とともに増加した.この領域における成膜過程は,TiCl4の表面反応律速と予測された.この領域において微分反応器を仮定した解析により,表面反応速度定数を算出した.その結果,TIW<1163 Kにおいて,表面反応速度定数は増加した.一方,TIW>1163 Kでは,みかけの表面反応速度定数は一定となることがわかった.第2番目領域では,成膜速度が管軸方向距離に対して指数関数的に減少することがわかった.したがって,この領域での成膜過程は未反応のTiCl4の拡散律速であると予測された.熱物質移動解析と非線型最小2乗法とを組み合わせることにより,数値解析からTiNの成膜速度分布を予測し,実験結果をおおむね再現できることがわかった.本解析によって得られた表面反応速度定数の活性化エネルギーは,201.9 kJ/molとなった.
- The Society of Chemical Engineers, Japanの論文
著者
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田之上 健一郎
山口大学大学院 理工学研究科 機械工学専攻
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西村 龍夫
山口大学大学院 理工学研究科 機械工学専攻
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山本 浩輝
山口大学大学院理工学研究科 機械工学専攻
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羽鳥 祐耶
宇部興産株式会社
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西村 龍夫
山口大学大学院理工学研究科 機械工学専攻
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