記録改善をめざしてカルテ監査を体験学習につなげる有用性
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概要
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1,000(研修医186、卒後 3 年以上の上級医814)冊の入院カルテを、診療情報管理士が院内監査した。医師記録監査は20項目について点数評価し、平均14.19±3.26(満点20)点、研修医が上級医より有意に好成績であった。看護記録については、5.1%に改善を要する記載を認めた。 われわれは2005年より研修医のカルテ記載教育のために、体験学習「模擬カルテ開示」を行ってきた。監査点数の低かった上級医に模擬カルテ開示参加を求めたところ、研修医だけでなく上級医もカルテ記載が改善した。また、監査で改善を要すると指摘された看護記録、インシデント事例の看護記録を教材に用いてグループ討議する体験学習「看護師カルテ勉強会」を開催した。参加者の感想からも、適切なカルテを作成する重要性について意識改革するのに体験学習が役立つことが示された。カルテ監査で得られた結果を体験学習につなげることは、診療記録の改善に有用な方法である。
- 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会の論文
著者
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出口 直孝
国立病院機構姫路医療センター 病歴管理室
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嶋崎 明美
国立病院機構姫路医療センター 内科
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森内 ルミ子
国立病院機構姫路医療センター 病歴管理室
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内海 寿子
国立病院機構姫路医療センター 病歴管理室
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野村 千恵
国立病院機構姫路医療センター 医療安全管理室