喉頭・下咽頭血管奇形の 8 例
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概要
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従来、「血管腫」と総称されていた病変は国際血管腫・血管奇形学会(ISSVA)により、血管系腫瘍と血管奇形に分類された。血管奇形はしばしば対応に苦慮することがあり、さまざまな治療法が必要になる。今回、われわれは喉頭および下咽頭の血管奇形の 8 例を経験したので報告する。症例は男性6 例、女性 2 例で、平均年齢は48.9 歳であった。3 例では他部位の血管奇形病変を合併していた。治療は、4 例は直達鏡下に切除術を行い、このうち 1 例では CO2レーザーを、2 例ではマイクロデブリッダーを使用した。3 例ではポリドカノールによる硬化療法を行い、輪状後部に基部を有する大きな血管奇形に対しては頸部外切開による切除術を行った。切除術を行った 5 例では、病変の再発を認めず経過良好である。喉頭・下咽頭の血管奇形では症状の程度、局在部位や進展範囲、血流、年齢、治療による侵襲度などを考慮して治療の適応や方法を決定することが重要と考える。
- 耳鼻と臨床会の論文